サンドレリーフ・ガラスは、さまざまな文様を“色被せガラス”などの表面に
レリーフ(浮彫り)した、彩り鮮やかなガラス工芸品。
このレリーフに用いる加飾技法を「サンドブラスト技法」といいます。
サンドは「砂」、ブラストは「爆風、突風」という意味です。
エアーコンプレッサーで作った圧搾空気で、
金剛砂をガラスの表面に吹き付けて彫刻する技法です。
サンドブラストによる技法は、長いガラス工芸の歴史の中では新しい技法で、
エアーコンプレッサーを使うため、他の彫刻技法に比べて彫るスピードが速いうえ、
吹き付ける砂の大小や圧搾空気の圧力調節によって、
彫刻面の深さや繊細な曲線、ボカシなど、微妙な表現の変化をつけることもできます。
さらに、どなたでもわずかな習得期間で
思い通りの作品を作れるというのも脚光を浴びている理由です。
サンドブラスト・レリーフガラスは以下の手順で創作します。特に難しい技術は不要です。
楽しみながらわずかなレッスンでアート感覚あふれる美しい作品がどなたでも手軽に創ることができます。
使用するガラス素材は、一般のお店には置いていない色被せガラス※1や、
普段お使いのガラス食品・ガラスの花瓶を用います。
個人個人で工夫を凝らし、楽しく愉快なデザインや美しく繊細な作品を創作します。
自分で絵を描くのはちょっと苦手という方にも、当スクールにて沢山のデザインを用意しています。
形・色・用途などを考慮しながらガラスピースを選定 | ガラス面に刻む絵柄を作成。マスキング用紙にコピーを取り、余白をカット | マスキング用紙にコピーした絵柄を、ガラス面に張り、これを切り抜く | ||
絵柄の切り抜き(マスキング)後にイメージどおりにサンドブラスト・ワーク | サンドブラスト・ワークが終了したら、絵柄のマスキングをはがし取る | 世界にただ1つのオリジナル作品が完成します |
※1 色被せガラスとは
異なる色を複層に重ねて熔着させたガラスを“被せガラス”と呼びます。
これには、成形後に加飾技法として外側の色を部分的に色ガラスを被せる方法と、全体に被せる方法があります。
一般にはスキ(透明)素材の上に色ガラスを被せます。その場合は膨張係数がうまく合うものを使用します。
ちょっと豆知識。サンドブラストの起源とは?
一説には、1860年代の頃、北米砂漠性草原に住むある農家の窓ガラスが、
風により砂を吹き付けられて不透明になって困り、ある技術者に訴えたところ、
細かい金網を張って風砂を防ぐように教えられ、
その通りに実施してみたところ、窓ガラスに金網形の模様が見事にでき、
これがサンドブラスト加工効果のヒントになったといわています。
また一説によりますと、
北アフリカの砂漠の砂嵐がピラミッドやスフィンクスを風蝕する現象を見て、
砂の吹きつけ加工が思いつかれた、とも言われています。
歴史のある工芸技術だったんですね。
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